猫の日
「今日って何の日か知ってる?」
唐突に聞かれて立夏は首を振る。
そんな立夏に草灯は言う。
「猫の日だよ」
「ふーん?そうか、2月22日だからニャーニャーニャーで猫?(安易だな)」
カレンダーを見て言い、視線を草灯に戻すと草灯は口を手で覆い、俯いて肩を震わせている。
「草灯?どうした?気持ち悪いのか?」
具合いでも悪いのかと立夏は床に膝を草灯の肩に手を掛ける。
しかし草灯は返事をしない。
「草灯?…わっ…!」
顔を覗きこもうとした瞬間、抱きしめられる。
「もう、立夏ってば可愛いんだから」
「はぁっ?何言ってんだ?っていうか、何なんだよ」
立夏は訳が判らず、眉を寄せて怪訝な顔をする。
「だって、ニャーニャー鳴くんだもん」
「っ、それは、べつに…鳴いたわけじゃなくて、真似っていうか語呂合わせで言っただけで…」
猫のように「ニャー」と言ったのがおかしかったのか、指摘されて立夏は頬を少し赤くしてミミを伏せる。
「もう1回鳴いて」
「ヤダ」
立夏はツーンとそっぽを向いてしまう。
そっぽを向いたことで隙が出来た首筋に、草灯はチャンスとばかりに口付ける。
その途端に立夏は「ひゃっ」と悲鳴を上げる。
「このっ!何するんだよっ」
ミミを伏せてしっぽを膨らませ、顔を真っ赤にした立夏は草灯の頭を押さえつける。
「鳴いてくれないなら、鳴かせちゃおうかなって」
「なんだそれ…?」
眉根を思い切り寄せる立夏に、草灯はにっこりと笑う。

その笑顔はきれいだけど、何だかイヤな予感がする。

(なんか、ヤな予感…)
思い切り不審者を見るような目をしている立夏に草灯は言う。
「どっちがいい?」
何の話だ?と思ったが、立夏はあえて聞き返すのをやめて視線を逸らす。
「どっちもイヤだ…」
「まぁ、どっちにしても同じかな」
そんなことを言って草灯は立夏を抱えて立ち上がる。
「!?ちょっ…」
急に抱き上げられて立夏は咄嗟に草灯にしがみついたが、すぐにベッドの上に降ろされ、押し倒される。
「何するんだよっ」
「ん?イイコト」
きれいな笑みで見下ろしてくる草灯を立夏は睨む。

イヤな予感はしていたが、案の定だ。
もはやもう、どういうつもりなのか、何をする気なのかは聞かなくても判った。

「ついでに言うとね、同性同士でえっちなことする時に抱かれる側の方を『ネコ』って言うんだよ」
「……だから?」
「猫の日だし。立夏って仔猫ちゃんだし。ね?」
言いながら草灯は立夏の頭上の獣耳を抓み、立夏は抓まれたミミをプルプルと細かく震わせて指から逃れる。
「ばか」
呆れ顔で立夏は近づいてくる唇を受けた。

〜END〜

222222ヒッツ越え、ありがとうございます!
2/22なので、これはもうにゃんにゃんしてもらうしかないですよね〜vv
にゃーって聞いてキュンとしちゃってる草灯は、たぶん心の中で「萌え」って思ってると思います☆
カウンタ記念というよりも2/22の猫の日記念?(笑)
仔猫ちゃんとにゃんにゃんするといいよ!
2007.2.22 UP

≪カウンタ記念menu
小説トップ
HOME
無料ホームページ掲示板