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「けっこうです!」
つまり、大人になるイコールミミを落とす、ということを言っているのだ。
「大人になりたいんでしょう?」
「そういうイミじゃねぇよ!(この、バカ!)
絶ーっ対にイヤだ!!」
真面目に言っているのに茶化されて立夏は怒る。
「本当に?」
笑うでもなく問われ、立夏は戸惑う。
「…草灯が言ったんじゃん。
オレみたいな子供相手にそんな気ないって」
「ああ、あの時はね。そう思ったんだけど…」
「オレみたいな子供にそんなことしたいのかよ?」
「そういう時も、あるかな」
草灯の返事に立夏は絶句する。
警戒してかミミを伏せてしっぽを膨らませ、睨むように立夏は言う。
「おまえみたいなの、ロリコンって言うんだぞ。この、変態」
「うわ、キッツー」
苦笑する草灯に立夏はつないでいた手を離す。
話しながら歩いているうちに家の前まで来ていた。
「立夏、オレは冗談を言ってるつもりはないよ。
立夏はオレがオトナにしたい」
「本気なら余計悪い。
じゃ、またな」
そう言って立夏は家に入ってしまう。
(つれないなぁ)
やっぱり、今朝の夢は正夢だったのだろうか?
帰ろうと踵を返したと同時に携帯が鳴る。
それは立夏からのメールの着信を告げる音で、草灯はポケットから携帯を出してメールを開く。
立夏からのメールを読んで草灯はつい、笑みを漏らした。
携帯を見て一人で笑うなんて怪しいけれど、笑わずにいられなかった。

『草灯へ』のタイトルがついているそのメールは大人になるなら他人では嫌だ、と書かれてあった。
だけどそれは今ではなく「いつか」だとしっかり付け加えられている。

二階の立夏の部屋を見上げるとベランダに立夏がいた。
閉じようとした携帯がもう一度鳴り、立夏は指差して「読め」と口を動かす。
メールには今日会えて嬉しかったこと、それから立夏の願いが書かれてあった。

手を振って見送る立夏に草灯も軽く手を上げ応え、立ち去る。

『草灯はいなくならならないで欲しい』と──。
一人、残される悲しみや寂しさはもう、二度と嫌だから。
だけど…立夏の願いでも、草灯はそれは叶えられないかも知れないと思う。
立夏のいない世界では、もう生きられない。きっと。
立夏が思うように草灯も立夏を失いたくないと思う。

〜END〜

大人になる=ミミ落ち、という部分を立夏バージョンで削ってしまったのでオマケです
セクハラですね!
ロリコンでホモで変態でマゾでストーカーだからしょうがない
はい、でもウチの立夏はミミ落ちません(裏ページ参照)
まさに「オチなし」です☆
草灯だってハタチじゃ全然大人じゃないよね〜
立夏から見れば大人だろうけど
本当に大人になるっていうのは難しいことですよね
25才でも30才でも大人になれない人はいっぱいいる
草灯も「大きい子供」だと思うなー
おそまつでした☆
2005.8.7 UP

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