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「知ってる?クローバーの花言葉」
「知らない」
「『BE MINE』イミは"わたしのものになって"」
「え…(そうなんだ…)」
そんなイミがあるとは知らず、立夏は少し頬を赤らめる。
「4つの葉1枚ずつにイミがあって、4つそろって真実の愛を表すって言われてる」
「そうゆうイミがあるなんて知らなかったし、べつにそんなイミで渡したんじゃないからなっ」
立夏は頬を染めてミミを寝かせて言う。
立夏はただ、「幸福のお守り」として、探してくれただけなのだということは、わかっている。
「今知ったとしても、そういう意味になったらいいな。
もちろん、オレは立夏のものだけどね。心も体も魂も、全部…立夏のものだよ」

夕暮れ時の風が草を撫で、立夏と草灯の髪を揺らす。
しばらくじっと無言で草灯を見つめていた立夏は視線を逸らした。

「…真実に、4つのイミって…?真実はひとつじゃないんだ」
「そこまでは知らない。
でも真実はひとつでも、色んな要素があって、ひとつになるんじゃないのかな。何にでも起承転結があるのと同じで突発に起こった出来事にも、そうなった要因や原因が色々あるものだし。偶然の出来事も経緯を追っていけば必然にもなることだってあるよ」
そう話す草灯に立夏は視線を向け、近くの雑草をむしり取ると弄びながら言う。
「草灯は…口がうまいから。信用していいのかわかんない」
雑草を弄ぶ立夏の手に草灯の手が重ねられる。
「信じてよ。オレには立夏しかいない」
「そうじゃなくて…。オレは…いっぱいいる人の中から、の方がいい」

同じ名前、名前の絆…。
それは確かに運命なのかも知れないけれど――。

だけど立夏が求めるものは、そんなものではない。

「何とどう違うの?」
「だって、草灯は…」
立夏の言葉を遮るように草灯が口を開く。
「今、立夏が好きなのは本当だよ。どんな出会い方をしようと。
立夏と出会えてよかった」
「………」
「立夏と出会えたこと。好きになったこと。一緒にいられること。全部、合わせて真実」
草灯がさっきのクローバーの話になぞらえて話していることに気付いて、立夏は指折り数える。
「いっこ足りなくないか?」
「残りひとつは、ずっと一緒にいたいってこと」
「………」
きれいな笑みを向けられての言葉に、立夏は頬をほんのりと染める。
心の中で、自分も同じだと答えた。

クローバーの4つの意味は
『faith=誠実』
『hope=希望』
『love=愛』
『luck=幸運』
4つ揃って『Genuine=真実』
本物の力、真実の愛を表す。

まだ立夏には「真実の愛」とは何かわからないけれど、草灯はわかっているのだろうか?
一緒にずっといられたらわかる日が来るのかな?と思った

〜 END 〜

こういう素朴なことをしてくれることが、ものすごくかわいかったり嬉しかったりしますよね
ゼロサム7月号のLOVELESSの表紙を見て思いついたお話でした☆
でも立夏はユイコにも、たぶん清明にもあげたんじゃないかと思う(残念!笑)
web拍手お礼でしたが、加筆してます〜☆
初出:web拍手
再録:2006.7.2 UP

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