page:2
「でも、自分だって困ってたら助けて欲しいって思うじゃん。なんかさ、ありがとうって言われるの、当たり前のことしただけでも嬉しいよな」
にこっと笑う立夏に草灯もふっと笑みを浮かべる。

自分も困った時には誰かに助けて欲しい。だから他人が困っていたら助けてあげたい。
ただそれだけのことで、困っている人の手助けをするのは当たり前だけど、お礼を言われるのは嬉しいと思う。

本当は当たり前のことなのに、誰もが気づきながらもあえてそうしない、あるいは気づかずに見過ごしてしまっていること。
きっと一人だったら草灯も他の人たちと同じように、気づかずに通り過ぎていたと思う。
立夏が子供だから老夫人も不審に思わず、親切に感謝をしたのかも知れないけれど…。

「自己満足だけどな」
肩をすくめる立夏に草灯は呟く。
「好きだなぁ」
「は?」
急に言い出す草灯を立夏は見上げると、自分を見る草灯の優しい瞳に立夏は少しどきっとした。
「立夏のそういうところ。好きなところ、沢山あるけど…」
「な、んだよ?急に…」
立夏は照れて視線を逸らし、しっぽをふらりと揺らす。
「急じゃないよ。ずっと考えてた」
「オレには急なの。ヘンなやつ」
「ヘンじゃないよ。立夏には沢山いいところがあって、好きだなって再確認してたんだよ。
さっきみたいな立夏は知らなかったから発見かな?」
草灯が言うと立夏はじっと見上げてくる。
時々、立夏はこんな風に無言で見上げてくるが、何を言ったのか、それが本当なのかどうかを確かめているかのようだ。
「一緒に居たら、いくらでも惚れ直させてやるよ」
にこっと笑って冗談めかして言う立夏に、草灯は一瞬めんを食らった。
「立夏ってかっこいいね」
「あ、バカにしてるだろ?冗談だけどさ」
「そんなことないよ。楽しみだな」

立夏は冗談なのかも知れないけれど、惚れ直させるなんてセリフに草灯は驚いたが、立夏だったら本当にそうなんじゃないかと思う。
立夏はこれからどんどん成長していくし、楽しみが多い。
冗談ではなく本当にそう思う。

「なんて言ってみたけど、自分で自分のことが一番わかんないんだけどな」
立夏はそう言って舌を出す。
自分では自分の長所なんてわからないものだ。
「立夏が自分じゃ気付けない、知らないいいところはオレが見つけたいな」
「草灯が…?」
瞬きをする立夏に柔らかい笑みを浮かべて草灯は愛でるように頬の輪郭を撫でる。
「いくらでも惚れさせてよ」

知らないところを知ると、またひとつ好きなところが増える。
そう長くはない付き合いだけど、それなりには立夏のことは知っているつもりでいるが、それでもこんな風にまだ知らない部分がある。
発見があるという新鮮さがいいなと草灯は思う。

知れば知るほど好きになる。

ずっと、そんな関係でいられたら――。

〜END〜

草灯が立夏のことを大好きで、立夏ってかっこいいなーっていうのを書きたかっただけです☆
小学生で惚れ直させるなんて言わないですよね(笑)
わたしは立夏はかわいいけどかっこいい男の子!と思っていますよ
立夏って困ってるおばーちゃんがいたりしたら、普通に助けてあげそうかな〜?なんて…
2006.8.4 UP

≪Back
≪草立menu
小説トップ
HOME
無料ホームページ掲示板