page:2
夕食を2人で食べてから、立夏は風呂に入る為に着替えのパジャマと下着の着替えを抱えて、机に向かう兄に首を傾げて顔を覗きこむ。
「清明、お風呂入らないの?」
「僕は後で入るから、先に入っておいで」
清明は参考書やノートを広げたまま言うと、立夏は勉強の邪魔をしてはいけないと思い、一人でバスルームへ向かった。
立夏がバスルームに行ってから少しして水音が聞こえ始め、清明は立ち上がり部屋を出る。そして立夏の部屋へ向かい、ドアをそっと開ける。

一体何を隠しているのか気になり、清明は部屋の中を見回す。
別段、あまり変わった様子はないようだ。
あまり物をいじると部屋に入ったことに気づくかも知れない。
何かを隠そうとしても案外、気にもとめないのはゴミ箱だ。
ゴミ箱を覗いてみるとレシートや何かが入っていたであろうビニール袋が捨てられている。
レシートを拾って見てみる。
立夏が買ったものは何か工作するのに必要なものばかり。
学校の授業で使うのかと考えたが、それなら学校で用意されて後で教材費を払うはずだ。
それに隠す必要もないだろう。
清明はレシートをゴミ箱に戻して視線を巡らせると、服の裾が挟まっているクローゼットで視線をとめた。
いかにも「慌てて閉じた」かのような痕跡に見える。
立夏の性格からして服を挟めたままにしておくとも思えない。
開ければ中に隠されてあるであろう物を確認出来るが、同じ状態に戻せるかといえば、やはり違いは多少あるだろう。
清明は少し考えて、立夏の部屋の中を見回して、あることに気付く。

立夏の机の上に置いてある卓上カレンダー。
カレンダーの11月14日に何か書き込まれている。
それを手に取って見て、清明は唇を三日月の形に変えた。

そこに書かれていたのは『清明・誕生日』の文字。
立夏はあと数日で迎える兄の誕生日のために、こっそりプレゼントを用意しているようだ。

しかし、何か工作するようだが立夏はあまり手先が器用とは言えず、大丈夫なのだろうか?と思う。
怪我さえしなければいいのだが…。
そんなことを考えながら清明は何事もなかったかのように立夏の部屋を出て、自室に戻った。

誕生日のプレゼントに立夏が何を用意しているのか気になるが、それは当日まで楽しみにとっておいて、それまでは立夏の隠し事に気付かないフリをしておくことにする。

〜END〜

清明って立夏のこと色々調べてそうですよね
机の中とかはもちろん、立夏宛てのメールなんかも見てそう
立夏はそういうの全然気付かないんだよ、きっと!
気づかれてるってわかんないで、こそこそとお兄ちゃんに何か作ってあげるんだろうなー
不器用な立夏たん、上手に出来るかな?(笑)
14日までに誕生日話書けるかわからんです(苦)
なので、この話はこれで終わりカモ…?続きは書けないかもなので…
2006.11.12 UP

≪Back
≪季節行事menu
小説トップ
HOME
無料ホームページ掲示板