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草灯は立ち上がると立夏のパソコンを勝手に操作し始める。
「何してんだよ(勝手に触るな)」
「交換日記を作るんだよ」
「は?」
草灯は勝手に立夏のパソコンでネットに接続し、検索エンジンを開いて、キーボードを叩いて何かを入力してマウスを操作する。
その手際の速さに立夏は何のつもりなのかと黙って様子を見る。
数分後、草灯は立夏を椅子に座らせ、モニタを見せた。
「日記はここに書いて」
「え?ネットでやるのか?」
「そう。これなら立夏と会えない時でも、立夏が何をしてたか、いつでもどこででも知ることが出来る」
近頃はブログなんかも流行りでクラスの数人も、ブログをやっているという話を耳にしている。
「でもさ…こういうのって、誰でも見れるんだろ?」
「パスワード付きだから、パスワードを他人に言わなければオレと立夏しか見れないよ」
他人は見ることが出来ないと知って、立夏は少しほっとする。
「オレ、ネットで何か書くのってあんまりしたことないんだけど…」
「そんなに緊張することないよ。見るのはオレだけなんだから」
そう言って草灯は立夏の髪を撫でる。

草灯のことを知りたいというのは立夏も思うし、それに普段は会わない時に草灯が何をしているのか、気になってもいた。
会わない日でもお互いに何をしていたのか、いつでもどこででも見れるということに立夏は惹かれた。

「携帯からも見たり書いたり出来るし、写真も載せられるよ」
「へえー。そっか」
立夏は興味を持ったらしく、しっぽを軽やかに振って機能の説明を読み始める。
ちゃんと説明を読んで把握してから、というのは慎重で真面目な立夏らしい。
立夏は『石橋を叩いてから渡る』タイプなのだ、とこんな些細なことでもわかる。

草灯が帰ってから立夏はふと、思い出した。

そういえば、清明が「そこに秘密があると知ったら暴きたくなる」と言い、秘密は誰にも見つからないように、秘密を形にして残してはいけないと言っていたことを思い出した。

でも…2人で共有するものなら、それは2人の秘密になる。
秘密の共有というと、何となくどきどきする。
きっと、ユイコあたりに知られたら見てみたいとか色々面倒そうだから、それこそ秘密のものかも知れない。

〜END〜

草灯って交換日記とかやりたがるタイプじゃないと思うけど、そこは立夏だから(笑)
本物の草灯はやらないと思います
草灯はつらつらと立夏への気持ち書いちゃったりしてして?
2007.1.4 UP

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